継続的なCompetence Development

自分の能力開発ということを真剣に考えて取り組み、かつ実行している人は少ない。必要性を理解はしていても実行が伴わないのが実情でしょう。(理由については別途)

ここでは、もう一度、能力開発の重要性を理解する(復習)をして、その後、どのようなステップで実行したらいいかについて考えてみる。

まず、3つの例で考えてみる

1. マクドナルドの店員のスキル

マクドナルドのような大規模な会社では、新規に入社した人達に一通りの研修を行う。会社にとっては、お金と時間がかかるけれど、その重要性は多くの経験からよくわかっているのでやっている。日本は特に訓練は厳しく行われている。オーダーや釣り銭のまちがいなどが、発生するだけであっという間に業績が落ちてしまうからだ。しかしながら、ある程度まで訓練が進むと、それ以上はあまり業績に影響はなくなる。言い換えると、1年とか研修を続けることはない。それはスキルの内容が非常に限られているからだ。

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(台湾のマクドナルドでは戦略的に店員のスキルより可愛さにフォーカス)

2. ソフトウェアの開発者の訓練

これも同様に、どこの会社でも研修がある。この研修内容の特徴は、各人の現在のスキルレベルに合わせて、様々な分野とレベルの研修があることだ。なおかつ、この研修には、ここまででいいという限界がない。研修費用は相当高額になってくる。

ソフトウェア技術者はアプリケーションなどの開発をするわけであるが、これらの商品は大量に市場に販売され流通する。一旦、多くのユーザーに販売された後で致命的なバグが発生した場合には、回収、修正、賠償対応など、市場に大きな影響とコストがかかってくる。

次に、開発時間(コスト)について考えてみる。技術者Aは、例えばPHPを既に3年やっていてベテランだとする。一方技術者Bは、1ヶ月前に学校をでて、PHPを勉強しながら開発しているとしよう。比較的簡単なプログラム開発を二人に依頼したとする。おそらくAは、過去にやったことのあるので、半日で出来上がる。一方Bは、全く初めての内容で、ネット検索、本を買って勉強などして、頑張ってやったけれど1か月かかった。….このような例は数多くある。

ここで重要なポイントは、各人のスキルやパーフォーマンスによって、コストと成果が桁違いに異なってくるということ。2-3倍とかのれべるでなく長期的には100倍1000倍~といった違いになってくること。

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3. 一般社員のコミュニケーション力訓練

今度は、技術やスキルとは違った分野の能力についての例を考えてみる。どこの会社でも、日本では「ほうれんそう」、報告、連絡、相談、の訓練がされている。これは、ちょっとした連絡や、報告がされないことが、どれほど会社のパーフォーマンスに影響してくるかを理解させることで、大きな機会損失を防ぎ、効率を上げることを多くの企業が経験上よく理解しているからだ。(この内容は、長くなるので別途)広い意味の、能力というのは、こういったコミュニケーション能力、自己啓発力、Self-Motivation力など、人間のソフト面の項目も含んでいる。

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自分の将来の伸び率が変わる

1-3までは、会社の側から能力開発を見ているけれど、個人の側から見るとどうだろう。例えば、自分の務めている会社が何かの理由で突然倒産したとする。(中小企業では頻繁におこっている)

Aさんは、日頃から自己啓発の努力をしているので、いろいろな面で能力が高くなっており、まわりから見ても、積極性、自発性なども含め明らかに注目されるような存在。Bさんは、普通に業務は問題なくこなしているが、能力開発の重要性など考えておらず、特別に時間をさいてなにかをやった経験がない。

この二人が、同時に会社の倒産に遭遇し、再就職の面接に行ったとする。言うまでもなく、面接官は、毎日面接ばかりやっている専門家なので、わずかな面接時間のやり取りのなかで、二人の違いを理解するので結果もそのとうりになる。もちろん運もある。

巷に、言われていることだが「運も能力の一部」。これは、日頃の努力が「運」を引き寄せるということで、経験上の言葉であるが、私もそうだと思っている。人生はサイコロふるようなものではない。

どうすればいいか

まず、いろいろなケースがあるので、話が発散しないように、ある程度絞った形で話を進めたい。

現在は、当然何かの仕事をしていると仮定する。(会社勤めでも自由業でもいい)普通は、自分の大部分の時間はこちらの仕事に割かれている。その上で能力開発を追加するのは、時間と気力の面で相当難しい。まったく別の分野の勉強をしようとしても、なかなか難しい。(もちろん休日を使ってやることもできる)特に、大きな壁は、モーティベーションを維持すること。これは「やらなきゃ」と思ったくらいではできない。その他にも、家族の問題とか、友人の問題、同僚の問題など、様々な障害物があることだろう。

小手先の、やり方処方箋はいろいろ考えられるけれど、それは個別の話なので、多くの人に共通に役立つこと、また、より深いレベルでの対処をすることなどを考えて、次のポイントを考えてみよう。

1. 重要性を理解する

既に述べたことではあるが、継続的な能力開発が、自分の人生にとって、いかに重要なことか!をいろいろな角度から自分自身で考えて理解、納得することだ。これなしには何も進まない。

2. モーティベーションを維持するには?(小さいことから)

モーティベーションの維持はキー!

まず、小さいところから始める。現在既に自分が持っている何かがあれば、それを延長する形で伸ばしていく。または、現在の仕事に関連した知識を増やしたりスキルを伸ばしたりしていく。この毎日の小さい積み重ねは、時間が経つと非常に大きな変化につながってくる。

特に、今従事している仕事にプラスすることを続けていくと、仕事の業績があがり、なおかつ自分のスキルが上がるので、時間が経つと「運」が変化するという目に見えないことが起こり始める。

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3. 効率を考える

最近では、インターネットの検索でほとんどの情報は手に入れることができる。本屋さんに行って分厚い本を買ってきて読むということも、ある時には必要だけれど、大抵の場合はインターネットの検索で情報を入手できるので、これを使えば効率があがる。(与えられた時間は少ない)インターネットの利用だけではなく、日頃から効率よく物事を進める習慣をつけよう。

4. 人に話す、仕事に活用、文書にする….自分からの発信→相乗効果

小さいことでもいいから、自分が学んだことを人に話す、仕事に利用する、テキストメッセージでほかの人に伝える….などの、自分から意図的に、能動的に、学んだことを発信する。こうすると、周りからのリアクションが返ってくるので、それが刺激となり、モーティベーションの維持に役立つばかりでなく、他の人からの追加の知識なども入ってくる。

5. ポジティブな思考の訓練

能力開発のスピードをアップさせるには、「プラス思考になる」という事が大切です。マイナス思考は想像力の幅を狭めてしまうため、そんな状態では自由な発想も出来ませんし、積極的に自分から行動を起こす能力にも欠いてしまう事になります。

能力開発に成功して出世街道に乗っている方は、総じて「プラス思考の持ち主」です。出世街道を歩んでいる人の中に、マイナス思考の人はいないんですね。

では、どうすればプラス思考の人間になれるのでしょうか?性格的に「内向き」な方の場合、なかなかプラス思考で物事を考えられないのも事実です。その場合は、「明るい未来を想像する」を毎日実践してみよう。(思考のレベルなので、現実と違っても構わない)

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6. 健康の維持管理

何をするにしても、健康でなければいけない。たとえ能力の高い人でも、不健康な状態では能力を発揮することが出来ない。たとえば、同じトレーニングを同じだけ行っている人でも、「1人は健康。もう1人は毎日二日酔い」では業績にも響きます。あるいは同じだけ能力を持っている人でも、入院してしまったら意味がないでしょう。

このように、たとえ能力を身に付けたとしても、健康でなければ「能力の発揮」に幅が出てしまいます。また、場合によっては「発揮できない…」ということになるでしょう。入院したり、あるいは体調を崩して会社を休めば、その分だけ成果に差が出てしまうのです。

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そこで、一般的に「健康に良い」とされる食生活、そして生活リズムを守るよう心がけよう。暴飲暴食を控え、肉・魚・野菜をバランス良く摂取して、規則正しい生活を心がける。

言葉ではわかっているが、99%の人が(私も含め)なかなかこれが実行できない。いろいろな事情があって、難しい人も多いだろうけれど、工夫すれば、やり方はいろいろあると思う。

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