組織と役割分担 Organization and Assignment

プロジェクトマネージャーの役割の中核となるものに、実行組織を作成することと、それぞれの組織に役割を明確に割り付ける(Assignment)ことがある。第一段階で目的がはっきりしたら、それを実行するためにどのような組織で、どのような人を割り付け、どのような仕事をさせるかを設計する。

この作業は、多くの要素を同時に考えながら、理想と現実の間を何度も行ったり来たりして、最適な組織を作る必要があるので、熟練を要する作業である。

プロジェクトマネージャーは、この為には、そのプロジェクト分野の(例えば、アプリの開発、ビルの建設、など)基本的な知識だけでなく、実際の経験が必要となる。(サンプル図)

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欧米では、プロジェクト組織図を作る人が独立していて、どのような人材が必要かを理論的に作り、あとからそれに必要な人材を調達してくるという、一見するとわかりやすいプロセスを踏むことが多いが、現実には人材はそんなに簡単に調達できないので、実行段階で行き詰まることが多い。

日本人の場合には、組織を作るときに同時に、まずはどんな人材が現在いるか、また、調達できる可能な人材はどうか、ということを考えて、実行可能な組織づくりを初めから作ろうとするので、成功確率は高くなる。

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重要なファクターを列挙すると、

  1. 目標達成に必要な作業を紙の上にリストアップする。
  2. それぞれの作業をするためにどのような人材が必要か、その人材に求められる能力を書き落とす。
  3. それぞれの組織単位の位置づけ、上下か並列か、そして命令系統を図に書き落とす。
  4. それぞれの組織のInputとOutputを明確にして、情報と成果物の受け渡しを明確にする。
  5. タイムライン上で、第一段階のスケジュールをドラフトしてみて、納期上問題がないか、初期検討を行う。
  6. コストについても、第一段階の概算を出してみる。(Man hour = Cost)

この組織づくりがうまくできると、この後のタイムプラン、コスト計画などが非常にスムーズに進む。一般的に、最大の難関は、能力を持った人材の調達だ。よく俗に「企業は人なり」と言われるが、まさしくこれがキーポイントとなる。

プロジェクトスポンサー(ステークホルダー)の立場から見ると、まずは腕の良いプロジェクトマネージャーを見つけることだ。事業の成否は、おそらくここで80%くらい決まってしまう。

 

 

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