株式、債権、投資信託、為替、商品などトレーディングにはいろいろなものがある。其の中でも一般には株式のトレーディングが大きいのと私の経験も株式なので、ここでは株式運用について話を進める。
短期投資と長期投資
短期投資がいいか長期投資がいいかについては、多くの人の議論があるが、シンプルにまとめると、次のようになる。
この時間軸については、トレーディング方法によって著しい差がある。長さでまとめると、
長期投資: 年単位、月単位
中期投資: 週単位
短期投資: 3日程度(スウィングトレード)、1日(デイトレード)
超短期:コンピューターによる秒速トレード(システムトレード)
リスク極小化トレード
長年いろいろな形で株式売買をやってきた経験から、全く別の観点から、上記の中でもう一つの分類方法がある。それはリスク極小化トレードとそうでないもの(非リスク極小化トレードと呼ぶ)だ。リスク極小化トレードの代表的なものはデイトレードだけれど、少し説明を加える。
私は、過去において1987年のブラックマンデー、ライブドアショック、リーマンショック、東北大震災暴落など、幸か不幸か全部経験してしまった。(笑)ブラックマンデーの時は、非リスク極小化トレードをやっていた。(サラリーマンだったのでそれしかできなかった)投資額がかなり大きい状態で、ある日突然NY市場が暴落し、世界中の株式市場が止まった。殆んどの銘柄が取引不能(ストップ安)で、売ろうにも売れないことになった。一瞬で、当時の私の貧乏サラリーマンの年収が1日で吹っ飛んだ。頭がクラクラしたのを覚えている。ここまでひどくなくても、突然何かの理由で寄り付きから保有している株が暴落することはよくあることだ。これは予知能力者でなければ、避けることはできない。
一方、私がリスク極小化トレードとよんでいるのは、代表的なのはデイトレードのことで、其の日のうちに(大引け前に)必ず反対売買をして手仕舞う(精算)やり方で、保有株を持ち越さないことだ。もっと厳密に言うと、前場と後場の間の昼休みも必ず一旦精算してしまう。こうすることによって、予期せぬ出来事で株価が大幅に変動して大きな損失を出すことを防ぐのだ。
自分にとって、一体どのトレード方法が良いのか、可能なのかよく見極めることが必要だ。それぞれによってトレードのやり方が、全く異なるのでそのあたりをよく知っておく必要がある。私の場合は、最近ではリスク極小化しかやらない(つまり半日トレードか、Hour Trade)。しかしながら年に1-2回、デイトレではなくて短期投資のチャンスが来た時には、塩漬けリスクを覚悟して参戦してみることにしている。
金額レベル?
私は、株式売買を初めた頃は、よくわかがわかってなかったので危ないレベルの金額を放り込んでいた。金額レベルは、人によって資産が違うので、相対的な金額レベルということだ。例えば年収1000万円で、余裕資金が200万であったとすると。大体、100万円くらいがいいのではないかと思う。これだと年収の1/10なので、株価暴落、または会社倒産で株券価値が突然ゼロになっても、なんとかなるし、心理的痛みもそれほどではない。株を買った会社が、突然上場停止とかになることは、しょっちゅう起こっているので、ゼロになる覚悟は最初から必要だ。
生存確率
株式投資で生存できる確率は著しく低い。巷で言われているのは、「短期投資家の8割までは1年以内に市場から姿を消す」、CNBCに出演したデイトレーダー協会会長と称する人の話として、「デイトレーダーとして生計を立てて行ける人は、1年間で1%以下になってしまう」などとなっています。この数値の正確さはさておいて、長年市場をみてきて、また自分もやってみて、この生存確率の低さは、実際そうだろうと感じている。上記で「短期投資家」といっているけれど、では長期投資家はいいのかと言うと、一度買った株を5年もっていれば、5年生存していたということであって、基本は同じことなのだ。つまり、投資で儲け続ける人は、殆んどいないのが実態だ。短期投資家は早く死に、長期投資はゆっくり死ぬということ。心理的な苦しみは長期投資が大きいと思う。と、言うと株式投資なんか辞めたほうがいいという結論になるが、損失を極小化しておくと、いくつか自分の為になることがあるので、メリットについては、また別記事で(長くなるので)詳しく述べることとする。
証券会社のプロ、ファンドマネージャーと個人トレーダーの違い
一般には、プロは、多くの一般大衆(おじいちゃん、おばあちゃんのタンス預金)に投資信託とか紙切れを渡して、数百、千億というお金を集めて運用する。目論見書などの超詳細な分厚い説明書で安心感を与えているが、私の目から見ると、個人トレーダーと実質的なトレードの勝率では本質的には違いがないと思う。なにが違うかというと、大会社の場合には、監視をしている人が多くいるので、個人トレーダーのような暴走的損失はないということだ。多くの投資信託の成績をみると、当たり前だが、日経平均にほぼ連動している。投資信託などは、手数料率が高いので、その分確率的にも投資家が損失を被っている率は高い。
個人トレーダーの致命的な問題は、監視する人がいないことだ。(教育がない問題もあるが)別の項目で詳述する予定だが、トレーディングというのは、心理的な要素が高い。昔、投資で有名な解説者が「1000株買うと、ビール一本飲んだ状態、2000株で2本、1万株では10本飲んだのと同じ心理状態だ」と言ったのを記憶している。個人トレーダーには、心理状態が暴走しても止めてくれる人がいない。投資信託はそういった意味では安全性は高いが、儲かるかどうかとなると疑問だ。
では、初心者にとって何がいい?
投資理論、テクニカル、業績分析、…数多くありすぎて、どうしていいかわからないという場合には、私は次の方法が安全で比較的勝率が高いと思う。
- 1年に2-3回程度の売買にする。
2. 銘柄は、個別銘柄ではなく、日経平均連動のETFなどを選ぶ。(個別銘柄は暴落、廃止のリスクがある)
3. 年に1-3回、日経が(週足で見て)大きく急落した時に、2-3回に分けて(ドルコスト平均法的)に買う
4. 第一回目の反発で、タイミングをみて2-3回に分けて売る