時間管理のマトリックス

これは7つの習慣(フランクリンコヴィー著)に出てくるテーマで有名なものですが、この本はかなり分厚いので、時間的に余裕がないとじっくり理解することが難しいと思います。ここでは、かなり端折った形ではあるけれど、エッセンスを説明したいと思います。

まず、自分の日々の行動が、「緊急なこと」なのか「重要なこと」なのかを区別して行動している人は少ないとういことについて説明します。

「緊急なこと」とは、今すぐに対処することを求められていることで、「重要なこと」は非常に大切にしなければならないことです。ビジネスの上でも、私生活の上でも、本当の充実感をもたらし、成功するのは、「緊急」なことよりも「重要」なことを成し遂げた時になります。

ここで、いろいろな自分の活動を「緊急」を横軸に、「重要」を縦軸にして図で表現すると「緊急かつ重要」、「緊急でないが重要」、「緊急だが重要ではない」、「緊急でも重要でもない」という4つの領域に分類できます。

これを「時間管理のマトリックス」と呼びます。

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各領域について簡単に説明すると、

第I領域の「緊急かつ重要」:客先からのクレーム対応、突然の電話、上司から依頼された急ぎの仕事などなどです。

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第II領域の「緊急ではないが重要」:業務の効率を良くする案を考えること、人材を育成すること、自分の能力を高める勉強や読書、健康維持のためのスポーツなどです。

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第III領域「緊急だが重要ではない」:重要ではない多くの電話や、無意味な会議など、自分にとっては重要ではないけれども、自分以外の誰かにとっては重要なことです。
第IV領域の「緊急でも重要でもない」:噂話などの暇つぶしや、無意味な長電話など、単なる時間の浪費にあたることです。

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さて、この領域の中で、ある程度物事を考えて日頃から行動していると思われる人々であっても、その多くの人は、第一、第三領域に殆んどの時間を費やしているのではないでしょうか。第二領域については、頭で必要だと理解しながらも、現実にはつい後回しにして、長い年月が過ぎてしまうのが現実でしょう。

人生を変える第二領域:

II領域の「緊急ではないが重要」な活動は、問題が発生することを見越してその予防をしたり、真の成果を出すための長期プランを考えたり、重要な会議やプレゼンテーションに備えたり、豊かな人間関係を築くなどです。長期的な視野にたってみると、自分にとって本当に必要なのは「緊急ではないが重要なこと」の領域にあるのです。

第二領域の活動をしないでいると、小さな問題が深刻な危機になりやすく、第I領域の「緊急かつ重要」なことに費やす時間が増える悪循環に陥り、ストレスも増えるばかりです。反対に、「緊急ではないが重要」である計画や予防や準備に十分な時間を費やすと、重要なことが差し迫った緊急な問題になるのを防いで、第I領域を減らす効果がもたらされる。

自分が、第I領域の「緊急かつ重要」にほとんどの時間を使っていると気付いたら、なぜこんなに緊急なことが多く起きるのか、根本的なその原因と改善策を考えてみる必要があるわけです。

さて、自分にとって第二領域の最重要事項が何かと自問してみると、なかなかこれが直ぐに分からないというのが現実です。既に、自分の人生の目標などがはっきりしている人は、答えが出せるかと思いますが、大抵の場合それがはっきりしません。

7つの習慣の本では、この点から長々と理論が続いていくのですが、それはそちらの専門にまかせて、ここでは、「起業を成功させる為に、自分の実力を上げる」という目標を仮定して、簡単化してみてはどうでしょうか。そうすると、自ずから最重要事項が見えてくるわけです。長期的視野に立って、どうしてもやらないといけないこと、が見えてくると思います。

起業して、事業を開始すると明らかに毎日が多忙になってきます。やるべきことが次々に湧いてきて、時間の余裕がなくなってきます。そのうち、目先の事に謀殺されることになり、最重要事項を見失ってしまう危険性があります。この状態が、1年、2年と続き、時が経ち、ある時にどうしようもない事態に直面する可能性が高くなります。

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早いうちに、最重要事項を見失わない、時間管理を習慣づける必要があるわけです。

この時に、明らかに難しいポイントは、最重要事項(例えば、ある技術力をつける、資格を取るなど)には、多くの時間が必要となるけれど、その時間をどうやって確保するかということになります。当然、自分自身に相当な負荷がかかるし、ストレスレベルも当然上がってくることでしょう。それでも最重要事項を疎かにするわけにはいかないということを、肝に銘じて努力精進することが必要となります。

 

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