半導体について-東芝事件から

最近東芝の半導体部門売却のことが、連日ニュースで報じられているが、なかなか半導体って何なのか一般にはわかりにくと思う。

そこで、一度さらっと半導体って何かという素朴な疑問に答えるような記事をここで書いてみた。

ただ、この疑問は世の中の非常に多くの人が持っているものなので、既に専門家の方々がネット上で様々な情報を提供してくれている。ここでは、それらの中で私なりにまとめてここに紹介および補足説明をしていく。技術的には非常にわかりにくいので、そこはYoutubeの特集も載せるので、詳しく知りたい方はそちらをじっくり見てもらい、それよりもう少しマクロの観点から話を進めていきたい。

半導体とは-01

物質には電気を通す「導体」と、電気を通さない「絶縁体」とがあり、半導体はその中間の性質を備えた物質です。(わかりやすく言うと具体的には、シリコンという物質からできている)

半導体は19世紀に発見され、1940年代にはトランジスタが発明された。半導体を利用した電子部品を半導体素子と呼び、トランジスタやコンデンサなどをひとつにまとめたIC(集積回路Integrated Circuit)などがこれに含まれます。

現代では、皆さんに親しみのあるメモリー(USBメモリー)が非常に多くの(たぶんすべての)電化製品に使われており、世界的に莫大な量の需要があり今後ももっと需要が加速拡大すると見られている。

具体的になんなの?と言われると思うので、写真で見てみると。(例えば)

パソコンの中を開けてみると、CPUとかその他、ぎっしりと半導体素子が詰まっている。

半導体とは-02

技術的には、話が長くなるので、Youtubeで超わかりやすいレベルの説明があったので、そちらを診てもらうことにする。3つのレベルでの説明動画を選んだので、自分に合ったものだけ見てもらえばいい。

Reference-01 Youtubeより

Reference-02 Youtubeより

この動画はかなり古いものですが、4本セットになってるもののうちの2/4をここで紹介します。

 

半導体の歴史は長く、現在ではとても人間が想像できないレベルの技術になっています。産業的にも、ほぼどんな製品(機械製品)でも半導体素子が使われているので、その影響力はとてつもなく大きいものになっています。

半導体、ICの用途:

  • パソコン・OA機器(パソコン、FAX)
  • コミュニケーション製品(電話機、無線機器)
  • 携帯端末(スマホ、タブレット他)
  • AV機器(テレビ、ビデオカメラ、DVD、音楽プレイヤー)
  • 娯楽(ゲーム機)
  • 家電(電子レンジ、洗濯機、エアコン)
  • インフラ(電車、放送機器、自販機、銀行ATM)
  • FA、自動化機器(産業用ロボット、監視カメラ)
  • 自動車電装部品(自動車、カーナビ)

など、非常に広範囲に使用されている。

Reference-03 Youtubeより

- YouTube
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半導体の市場規模と各国のシェア

最近の半導体の世界シェアを調べてみた(2016年1Q)
激しい競争続いているが、トップにはパソコンのCPUで有名なインテル、そして韓国のサムソンが君臨している。昔は日本のNEC、東芝が世界をリードしていた。


 

市場規模で言うと、だいたい3500億ドル(35兆円???)という想像を絶する規模!
 

  

1947年に米国のベル研究所で半導体を利用してトランジスタが発明されたことが、発展しコンピュータが発明され、その後インターネットにつながり現在のような世界がITで席巻されるようになった。

そういった意味で、半導体ということばは極めて重要。

ちなみに、半導体はシリコンからつくられることより米国西海岸のIT年はシリコンバレーと呼ばれている。

半導体製造装置メーカー

半導体を製造する装置はたくさんあり、それぞれが非常に高い技術が要求される為、各分野で世界のの専業メーカーのようなポジションを占めている日本会社が多い。う2017年の売上高ランキングをネットで調べてみた。市場規模は3-4兆円。

 
半導体は製造装置だけでも相当な市場規模になる。
 

 

日本の役割と東芝

  • 1960年台では日本はトランジスタの生産で世界一になった。
  • その後トランジスタを集積化したIC(集積回路)でも日本は世界をリードしてきた。
  • 1970年に、現在世界のリーダーとなっているインテル社が設立された。この時代には米国の企業が世界のリーダーとなっている。
  • 1980年台に日本の半導体が拡大、DRAMで日本が世界のトップになる(黄金期)。(1987年世界シェア80%)米国が圧力をかけ始める。東芝がトップ。
  • 1990年代に、米国がトップに、韓国、台湾の拡大が始まる
  • 2000年 DRAMシェアで韓国メーカーが日本を抜く
  • 1990年以降では、日本メーカーが次々と撤退。

 

 

  • 2011年では、インテル、サムソン、TI、東芝となっている。
  • 現在注目を浴びている東芝は2006年に6000億で米WH(Westing House)を買収した直後、2008年9月リーマンショックで赤字転落した。
  • 2015年粉飾決算が発覚2016年日本最大7000億円の営業赤字。以降、子会社を次々と売却。
  • 2017年WHが倒産。1兆円?の連結赤字で債務超過に。自己資本はなくなり6200億円の債務超過予定。
  • 東芝、東証二部に降格。

2017年東芝の一番の半導体メモリ事業を、大騒動の結果、売却することを決めた。来年3月が生き残れるかどうかのDeadlineだ。

初期の時代から、日本の半導体事業の発展の牽引役であった東芝の没落は、日本の半導体事業の没落を意味しているのかもしれない。おそらく韓国が取って代わると思われる。そういった意味で大きなTurning Pointの事件であると思う。

 

 

 

 

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