リスクマネジメント

企業経営もプロジェクトマネジメントも常にリスクにさらされる。どんなリスクかと言うと、数え切れない種類のリスクがある。事業分野によって大きく異るし、その種類も多いので、ここでは多くの業種に共通して言える基本的なことと、私が実際に遭遇したものを幾つか紹介することで、皆さんの何かの役にたつことが出来ると期待している。

まず、初心者にとって、リスク管理の重要性を認識することから始めよう

大企業においては、どこでも詳細なリスク管理システムが構築されており、それがどれほどの詳細レベルかを次のURLにある三井住友銀行の例をみて想像してもらいたい。三井住友銀行リスク管理の取り組み

これを見ると、うちは大銀行じゃないんで、参考にならないと考えるでしょう。しかし、ここで注意を換気したいのは、大企業であろうと、起業家の立ち上げた小さい会社も、必ず多くのリスクをはらんでいて、最初からそれを認識して行動することが、著しく自分の会社の生存確率を上げることです。

基本的なことは、

まず、どんなリスクがあるかを考える

リスクを考えるときには、プロジェクト・メンバーだけでなく、経験のある有識者を入れて、プロジェクトを進めていくときのプロセスをイメージし、契約内容、リソース(人の調達)、技術が十分か、コスト、物流と納期などの観点で、「どんな問題が発生するだろうか」、「こうなったらどうなるだろう」、と検討を進めていきます。

たとえば、ソフト開発の場合で言えば、要件定義を例にすると、スコープの記述が曖昧であるとか、成果物の受け入れ基準が明確でないケースがあります。このままプロジェクトを進めると、要件が雪だるま式に増え続け、当初予定していたコストやスケジュールで終わらなくなる可能性があります。また、無理矢理計画していたスケジュールで終わらせようとするために、品質の劣化を招く可能性も出てきます。

このリスク検討作業は、最初の計画段階でしっかりやっておかないと、プロジェクトの進行に伴って次々とリスクが顕在化し、その度に、対応策を検討しスケジュールの遅延、要員計画の変更、客先などへの説明に追われ、本来のプロジェクトマネジメント活動が手薄になり、それがまた新たな問題を発生させるという悪循環に陥ったりします。

risk-assessment

リスクには、1)予測可能なリスク(ある程度最初からわかっているリスク) 2)全く予想不可能な問題のリスク に分けられます。

たとえば、私が体験した、2)の例は、昔中近東のクウェートという国で通信システムプロジェクトを実行している途中に、戦争が勃発しプロジェクトがめちゃくちゃになったということがあります。また、同様に海外プロジェクトで、海上輸送するときに、業者の手違いで別の国向けの船に貨物が積まれてしまって、大幅な納期遅れが出たこともあります。作業員が、事故で死亡したことも有ります。これらは予測できない分類のリスクとなります。

ただ、たいていの場合は、経験があれば、予想がある程度できるので、事前に問題が発生した時どうするかという対処策を考えておくことが重要です。

リスクマネジメントとは、リスクを事前に予想、特定し、分析、対応策の立案しておき、実際に問題が発生した場合にプロジェクトへの影響を最小限にとどめる活動を指します。

リスクが問題として顕在化した時にどうするか

簡単に言えば、問題解決方法を検討し、迅速に実行する。という簡単なことになりますが、現実はたいていの場合、大きな苦労をすることになります。というのは、

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