スコープマネジメント

スコープマネジメントと言うと、抽象的でわかりにくいが、単純明快に言うと、

プロジェクトの目的と達成しようとしている内容を、初めに明確にしておくこと。あたりまえだと思うかもしれないが、非常に多くのケースでこれが明確でなかったり、長い期間のプロジェクトの実行途中で、いつの間にか間違った方向に走ってしまうことが多い。

私がやっていた年単位のプロジェクトの経験からも、長い間苦心惨憺してプロジェクトを実行して、終わってみると当初の目的と違ったものが出来てしまったりすることは多くある。

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もう少し詳しく説明した文章を以下、引用する。

 

プロジェクトは、顧客を中心としたステークホルダーの期待を満たすか、あるいは課題を解決するために立上げ・計画・実行されます。ステークホルダーの期待や要求事項を収集しスコープを確定させる際、ステークホルダーは「あれもやりたい」、「これもやりたい」とさまざまな要求を提示してきます。また、プロジェクトへの要求も必ずしも一定の方向性に基づいているとは限りません。

このような状況のままプロジェクトを進めたら一体どうなるのでしょうか? おそらくスコープは膨らみ、コストは増加し、スケジュールは遅延し、さらに品質の劣化などの事態を引き起こしてしまい、その結果、顧客を満足させることができずにプロジェクトは失敗に終わることでしょう。

このような事態を避けるため、プロジェクト・マネジャーは、プロジェクトの目的に向けて要求を収束させ、プロジェクトで実現すべき要求事項を確定させるための活動である「要求事項マネジメント」を確実に行う必要があります。日本では「要求事項」を表現するものとして、一般に「要件定義」という用語を使用しますが、PMBOKでは、「要求事項」とそれを確定した結果である「スコープ」とに分けて定義しています。

これは、プロジェクト仕様書の第一項目になる部分です。

 

 

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要求事項を確定するためには、どのようなアプローチをとればよいのでしょうか? プロジェクトへの要求は山のようにあります。また、所属する部門や立場によって、それぞれのステークホルダーの意見も異なるため、ステークホルダー間のコンフリクト(対立)が発生することもあります。
このような状況で、時間や予算の制約条件を考慮しながら優先順位を検討して要求事項を確定し、スコープを定義し、スコープ・ベースラインについてステークホルダーと合意することは容易なことではありません。
また、組織におけるスコープの決定方法に問題があることもあります。単に声の大きい人の意見が優先されていたり、一部の人だけで要件を決めていたり、きちんとした議論や検証のないまま多数決で決定したりする、といった慣習や風土が存在する組織もあります。このような組織では、要求事項を確定するための適切なプロセスや基準が確立されていないため、プロジェクトの目的に沿って要求事項を確定することは難しいでしょう。

 

 

sysytem3_1一体何をしたいのか!

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目的と一言でいうけれど、よく考えると違ったレベルの要求がある。

 
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PMBOK®ガイド の要求事項収集プロセスは、合理的な意思決定に基づき要求事項を確定できるように、要求を体系的に整理し決定することを扱っています。すべての要求を取り入れようとすると、定められた期間や予算の範囲に収まらないほどスコープが拡大してしまうため、要求に優先順位を付け、スコープに含める範囲を絞り込んでいく必要があります。そのためプロジェクト・マネジャーは、ステークホルダーと緊密なコミュニケーションをとり信頼関係を築きあげ、ステークホルダーの真のニーズを把握する必要があります。

真のニーズを把握するためには、要求を体系的に整理することも大切です。プロジェクトへの要求には、プロジェクトを立上げる目的となるビジネス・ニーズを表した「ビジネス要求」、そのビジネスに関わるステークホルダーがビジネスを遂行する上で必要と考えて要求する「ステークホルダー要求」、そして情報システムなどのプロジェクトの成果物(ソリューション)への直接の要求である「ソリューション要求」、などがあります。それぞれの要求の位置付けと要求間の関係を整理することでステークホルダーも考えが整理でき、要求に関するコミュニケーションが円滑に進みます。

そうすることで、ステークホルダーをプロジェクトに積極的に関与させることが可能となり、プロジェクトの目的に沿った優先順位の高い要求事項が引き出せ、要求事項を早期に確定できるようになります。そういう意味では、要求事項を確定させるためには、この段階でのステークホルダー・マネジメントが重要となります。要求事項を引き出すとは、ステークホルダーが考えていたりイメージしたりしても明確になっていない事柄を図示したり文書化したりして明示することです。人の頭脳には言葉にならない情報があることが多いので、それを適切な質問などを通して言葉にすることによって、新たな要求が明確になってきます。

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プロジェクトの実行期間中、主要な節目で、本来の目的からずれていないかを確認することが必要。

 

 

 

 

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